2019年7月27日土曜日

レスピーギ / ローマの松

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介していく名曲はこちらです。

「レスピーギ / ローマの松」



この作品はイタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギによって1924年に完成された交響詩です。1916年作曲の『ローマの噴水』、1928年作曲の『ローマの祭り』と共に「ローマ三部作」と呼ばれています。

ローマの松は、各部分において異なった松と場所・時間を、レスピーギは自身の得意としていた色彩的なオーケストレーションを用いて描写している作品となっています。レスピーギはこの曲で単に松のことを描こうとしたわけではなく、松という自然を通して古代ローマへ眼を向け、ローマの往時の幻影に迫ろうという意図をもっていたと言います。

そのためこの曲には、グレゴリオ聖歌などの古い教会旋法が好んで使用され、古い時代への郷愁と過去への幻想が効果的に生かされています。




クラリネットの音が私の気に入っている箇所なのですが、この曲でクラリネットソロが登場するのは、第3部『ジャニコロの松』。ローマ南西部にあるジャニコロの丘にある松とそこから見える満月の夜を表現しています。

クラリネットはp(ピアノ、弱音)の表現が得意。ゆったりとしたメロディーの中で他の楽器よりも小さな繊細な音を出すことが出来るのです。この曲ではそんなクラリネットの特徴が遺憾なく発揮されています。このクラリネットソロはとにかく美しく、哀愁が漂います。

それではまた。
阿加井秀樹

2019年7月24日水曜日

ベルリオーズ / 幻想交響曲

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介していく名曲はこちらです。

「ベルリオーズ / 幻想交響曲」



フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズが1830年に作曲した最初の交響曲です。原題は『ある芸術家の生涯の出来事、5部の幻想的交響曲』。

「恋に深く絶望しアヘンを吸った、豊かな想像力を備えたある芸術家」の物語を音楽で表現したもので、ベルリオーズの代表作であり、初期ロマン派音楽を代表する楽曲であります。

現在でもオーケストラの演奏会で頻繁に取り上げられている名曲となっています。中でも特徴的なのが第5楽章に出てくるのが特殊管、Es(エス)クラリネット。このEsクラリネットは通常のクラリネット(B管、A管)よりも小さく、高い音が出ます。この曲では魔女の笑い声を表現しており、装飾音符やトリルがとてもインパクトがあります。Esクラリネットはクラリネット奏者が通常のクラリネットと持ち替えて演奏します。




登場する第5楽章までは音出しもせずに突然吹き始めなくてはいけなくて、とても大変なのだそうです。緊張感のある、Esクラリネットの魅力を充分に味わえる美味しいソロです。聴いたことのない方は是非聞いてみてくださいね。



それではまた。
阿加井秀樹


2019年7月16日火曜日

ガーシュイン / ラプソディー・イン・ブルー

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介していく名曲はこちらです。

「ガーシュイン / ラプソディー・イン・ブルー」




ジョージ・ガーシュウィン作曲のピアノと管弦楽のための作品です。冒頭の旋律を演奏しているのがクラリネットです。音階を駆け上がった後、グリッサンドしながらメロディーを奏でます。グリッサンドとは一音一音を区切らずに繋げて演奏する方法です。

ここでは運指を工夫しながらアンブシュア(楽器を吹く時の口の形)を緩めることで、表現するのだそうです。クラリネット奏者にとっては技術の見せ所です。

この曲が作曲された1920年代はアメリカでジャズが大流行。クラシックの中にジャズの香りも感じる、楽しくお洒落な曲です。





「ラプソディ・イン・ブルー」というタイトルは、「ジャズの語法によるラプソディ」といった意味があり、ラプソディ(狂詩曲)には「民族音楽風で叙事詩的な、特に形式がなく自由奔放なファンタジー風の楽曲」という意味があるので、このタイトルからガーシュウィンはジャズをアメリカにおけるある種の「民族音楽」と捉えていたことが窺えます。実際この曲は、アメリカ的な芸術音楽の代表格とされています。

実は『アメリカン・ラプソディ』という題名だったのですが、兄のアイラ・ガーシュウィンが現在の題名を提案して変更したとのことです。


それではまた。
阿加井秀樹

2019年7月12日金曜日

ブラームス / クラリネット・ソナタ

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介していく名曲はこちらです。

「ブラームス / クラリネット・ソナタ」





ヨハネス・ブラームス作曲のクラリネットとピアノのためのソナタです。晩年、ブラームスは創作意欲の衰えで一時創作活動を中断していました。

しかし、ミュールフェルトというクラリネットの名手と出会い、創作意欲が戻り、クラリネット三重奏曲、クラリネット五重奏曲、そしてクラリネットソナタといったようにクラリネット作品を立て続けに作曲したのです。

このクラリネットソナタはブラームスにとって最後のソナタとなりました。クラリネットソナタは、情熱的な第1番ヘ短調と、安らいだ表情の第2番変ホ長調という対照的な2曲になっています。





晩年のブラームスの孤高の心境と諦観の境地を示しており、枯淡の味わいをもった作品であるが、それでも楽譜にはappassionato(情熱的に)、espressivo(感情を込めて)の指示が多くされ、晩年に至っても失われなかったブラームスの情熱が見られます。

最晩年の円熟した技法を用いて一部の隙もない傑作が生まれました。あらためてこのソナタを聴き直してみると、どれほどブラームスが澄み切った境地でこの曲を書いたかが、よくわかるでしょう。


それではまた。
阿加井秀樹

2019年7月1日月曜日

モーツァルト / クラリネット五重奏曲

みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はクラシック初心者向けの名曲をご紹介していきます。

「モーツァルト / クラリネット五重奏曲」





モーツァルト作曲のクラリネットと弦楽器のための作品。モーツァルトが”ウイーンの最初のクラリネット名演奏家”と称賛されたアントン・シュタードラーと出会って、彼の為にあの傑作クラリネット協奏曲K622を贈ったことは有名ですが、この五重奏曲もやはりシュタードラーの為に書いた曲です。

モーツァルトはクラリネットが大好きでした。当時最新の楽器だったクラリネットのために、オペラや協奏曲など色々な曲の中で見せ場を作っています。

中でもこの曲では、今後のクラリネットの活用の仕方の模範を示したとも言えるほど可能性を広げました。クラリネットの特徴は何と言っても広い音域に柔らかい音色。そのどちらも活かしてモーツァルトはこの曲を作曲しました。自由自在に変化するクラリネットを楽しめる一曲です。



天国的で彼岸の境地の雰囲気を持つクラリネット協奏曲と比べると、ずっと現世的な美しさやロマンティシズムを感じさせます。この五重奏曲に影響を受けたブラームスも、同じ編成による一大傑作を書きましたが、あれこそは現世の人間感情そのものの映し絵でした。


それではまた。
阿加井秀樹

阿加井秀樹が紹介する「ハンガリー舞曲5番」

 みなさんこんにちは。 阿加井秀樹です。   今回はヨハネス・ブラームスの「ハンガリー舞曲5番」についてご紹介します。   ヨハネス・ブラームスが作曲した全21曲からなる「ハンガリー舞曲集」の中でも、とりわけ人気が 高く、一度聴けば忘れられない旋律を持つのが「ハンガリー舞曲第5番...