2019年1月31日木曜日

別れの曲


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はショパンの「別れの曲」をご紹介していきます。この楽曲は数あるショパンの曲の中でも最高位の芸術性の一曲と言われています。正式名称は練習曲作品103番ホ長調





ショパンはこの曲を芸術作品としてではなく、練習曲として作曲したのです。ピアニストとしてのテクニックを習得するために作曲されたのであって、音楽観賞専用の曲ではないのです。

ただショパンの練習曲は“プロの演奏家のための練習曲”でもあるので、ある程度公の場での演奏は考慮していると思われます。ショパンは練習曲をただのテクニックの習得の曲ではなく、美しく芸術的な作品へと価値を高めているのです。

ピアニストとして必要な身体的なテクニックだけではなく、もっと奥深くにある音楽的な感覚・感情・旋律の美しさまでも練習曲の要素として含まれていたのかもしれませんね。



なぜ「別れの曲」という愛称で知られているかというと、1934年のドイツ映画の邦題名『別れの曲』でこの曲が主題となり物語が展開しており、日本人に強く印象付いたということが理由とされています。

別れの曲はショパン本人もこの透明感のある出来栄えに自信を持った一曲だったようです。
冒頭の旋律は特に有名で、誰もが一度は聴いたことがあると思います。長調なのに哀しいこの曲は、ショパンの持ち味を最大限に発揮されたピアノ曲であると言えるでしょう。


それではまた。
阿加井秀樹




2019年1月30日水曜日

歓喜の歌


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回は年末の風物詩と言っても過言ではない、ベートーヴェンの交響曲第9番 第4楽章『歓喜の歌』についてご紹介していきます。

「第九」といえば多くの人が思い浮かべるであろうあのメロディーこそが第4楽章に登場する歓喜の歌。世界的に多く知られており、EUでは国家のようにも使われているようです。

この曲の特徴はなんといっても印象的で誰でも歌えるメロディー。シンプルで難しくないので親しみやすく誰でも歌えることで、世界的な名曲になっていったのではないでしょうか。




また、歓喜の歌と幸せそうな曲名の一方で、最初の歌詞は“このような旋律ではない!もっと心地よいものを歌おうではないか。もっと喜びに満ち溢れるものを”といったもの。

歌が入るのは第4楽章で、第1、第2、第3楽章の素晴らしい音楽を「こういう音ではない、違う」と否定しているのです。

「歓喜の歌」の断片が登場すると、「それだ!」という感じに応じ、いよいよ「歓喜の歌」のメロディーが低弦により奏でられるのです。次第に楽器は増え、それは賛同者が増え、幸せが世界中に広がっていくようです。1楽章から3楽章までもベートーヴェンの集大成と言える見事な音楽ですが、それを否定までしてそこからさらに先に生み出したのが「歓喜の歌」というわけです。



いかにベートーヴェンが特別な想いで書いたメロディーであるかが伝わりますね。



それではまた。
阿加井秀樹


2019年1月29日火曜日

ワルキューレの騎行


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

ワーグナー作品の中で最もポピュラーな作品である『ワルキューレの騎行』についてお話をしていきます。

この曲はワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』の第一夜 楽劇『ワルキューレ』の第三幕の前奏曲です。『ニーベルングの指輪』は、「序夜と三日間のための舞台祝典劇」と題され、1848年から1874年にかけて作曲されました。




ワルキューレとは、北欧神話に登場する複数の半神を指し、「戦死者を選ぶ者」という意味を持ちます。
日本語では戦乙女、戦女神などともいい、一般には、鎧と羽根のついた兜で身を固め、槍(もしくは剣)と盾を持ち、翼の生えた馬(ペガサスなど)に乗る美しい戦乙女の姿で表されています。


『ニーベルングの指輪』では、神々の長ヴォータンと 知の神エルダの間に生まれた9人の娘達として登場するのです。天馬にまたがり槍と楯を持ち天空を駆け巡るワルキューレたちが戦死した兵士の魂を岩山へ連れ帰る場面の前奏曲として流れるのがこの『ワルキューレの騎行』。





気持ちが盛り上がる曲調であるのですが、1分間あたり60ビートを超えるハイテンポの楽曲となっており、聴いていると心臓の動悸が早くなり血圧が上がってしまうという調査結果もでているのだとか。
音楽の効果ってすごいですね。


それではまた。
阿加井秀樹



2019年1月25日金曜日

ノクターン(夜想曲)


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介させていただく楽曲はショパンのノクターン(夜想曲)1番変ロ短調作品9-1です。

この曲は9つある作品のうちの1つに数えられるため9-1となります。


また、この第1番から第3番はプレイエル社の社長カミーユ。プレイエルの夫人マリーに献呈されています。

プレイエルというのはショパンが生涯愛用していたピアノのメーカーです。プレイエル社は、オーストリア出身の作曲家イグナツ・プレイエルによって1807年に創業されました。1813年には、息子カミーユ・プレイエルが経営権を引き継ぎました。

カミーユ・プレイエルは、1831年にパリにやって来たショパンの才能をいち早く見出した人物として知られています。

ョパンがパリで行なった公式のコンサートは全て、カミーユ・プレイエルの経営するコンサートホール「サル・プレイエル」で行われたといいます。

ノクターンの中では第2番がもっとも有名な作品ですが、第1番も第2番と比較しても遜色のない魅力があります。




それではまた。
阿加井秀樹


2019年1月24日木曜日

革命


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回ご紹介させていただく楽曲はショパンのエチュードの革命という曲です。

この曲はショパンによる12の練習曲作品10になります。12の練習曲作品10はフランツ・リストに捧げられた作品です。その中でも第3番 別れの曲と、この第12番革命が特に有名になります。




ショパンが演奏旅行でポーランドを離れていた際、ロシア帝国からの独立を目指した革命が失敗し、故郷のワルシャワが陥落したとの報を受けて作曲されたとされています。


ちなみにこの革命という題名はフランツ・リストが命名しました。
リストは当時超絶的な技巧を持つ最高のピアニストとされており、ピアノの魔術師という異名もありました。

演奏技術と初見に関しては比類なき能力を誇っており、どんな曲でも初見で弾きこなしたと言われ、いまだに彼を超えるピアニストは現れていないとすら言われているほどです。

ですが、ショパンの『練習曲 作品10』だけは初見で弾きこなせませんでした。
その影響で、リストはパリから突如姿を消してしまいます。数週間後に現れたリストは見事に全曲を弾きこなし、ショパンを驚嘆させたといいます。

このことから、ショパンはリストに『練習曲 作品10』を捧げたとされています。





それではまた。
阿加井秀樹

2019年1月23日水曜日

ニムロッド


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はエルガーのエニグマ変奏曲の「ニムロッド」についてご紹介致します。この曲は1899年ロンドンで初演されたエルガーの管弦楽曲「エニグマ変奏曲」における第9変奏です。単独での演奏機会も多く、吹奏楽アレンジの楽譜もあります。




エニグマ変奏曲における変奏14曲には、楽譜上にそれぞれサブタイトル的なイニシャルや人名・愛称などが付記されているが、第9変奏では、エルガーの親友アウグスト・イェーガー(August Jaeger)の愛称「ニムロッド Nimrod」が記されました。

イェーガーという名前はドイツ語「Jäger」で「狩人」や「狙撃手」を意味します。これと旧約聖書における狩の名手「ニムロデ」が「狩つながり」で結び付けられ、「ニムロッド」の愛称となったといいます。

「ニムロッド」ことイェーガーは、出版社で音楽関連の編集者として働いており、エルガーに対して音楽的なアドバイスや、時には厳しい批評をぶつけることで、エルガーの音楽的意欲を鼓舞し、勇気づけ、励ましていました。かつて、エルガーは作曲家としてのスランプに陥っていた際に気分は落ち込み、何もかもがいやになって、もう二度と作曲なんてしないとふさぎ込む絶不調の時期を迎えていたことがあります。

そんな時期のエルガーを救ったのはイェーガーでした。彼はエルガー宅を訪れ、投げやりになり落ち込む彼に、ベートーヴェンを引き合いに出して励まし続けたという話があります。非常に熱い話ですよね。


ではまた。
阿加井秀樹


2019年1月21日月曜日

オーボエ協奏曲ハ長調



みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はモーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調についてご紹介致します。

この曲はオーボエと管弦楽のための協奏曲で、様々あるオーボエ協奏曲の中でも特に有名な曲です。
オーボエ奏者のプロオーケストラの入団試験の際にも必ずと言っていいほど演奏される楽曲です。





また17774月から923日の間にザルツブルクで作曲されたと推測されています。当時ザルツブルクの宮廷オーケストラでオーボエ奏者を務めていたイタリア出身のジュゼッペ・フェルレンディス)という人物からの依頼で作曲されました


初演の様子などについては詳しい資料がないため、わからないことが多いです。しかし、同年11月にマンハイムの宮廷オーボエ奏者フリードリヒ・ラムにこの曲を送ったところ狂喜され、彼の演奏が好評を博したことが1778214日付の父宛の手紙に伝えられています。ですが楽譜は一時行方不明になり、そのまま忘れ去られてしまっていました。

なお、フェルレンディスのために書いたのは別の曲だという説もあり、「フェルレンディス協奏曲(K. 271k)」と呼ばれ、ケッヘルの目録第6版では紛失作品と分類されています。




楽器編成としてはオーボエ、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどが編成されます。


それではまた。
阿加井秀樹




2019年1月17日木曜日

交響曲第7番


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回は王道のベートーヴェンの交響曲第7についてお話していきます。

この交響曲はベートーヴェンが作曲した交響曲の中でも最もリズミカルで明るい曲調が特徴です。日本でもアニメやドラマ、CMなどでも幅広く利用されています。

そして、第5番や第6番における様々な新たな試みの跡に修正を加え、再び伝統的な手法による交響曲に回帰した作品で、9つある交響曲の中でも最もバランスのとれている作品とも言えます。




しかし、知名度だけで言えば3番の英雄、5番の運命と6番の田園そして、第9といわれる曲の方が、知名度が先行していることは否めません。

ですがこの交響曲は完成度という側面で見るとそれらに遜色のないレベルでの仕上がりになっています。そしてこの曲をもっとも有名にしたのが、のだめカンタービレというドラマのオープニング曲になったことが一番の要因かと思います。





全部で40分程度の演奏時間になり、4楽章で構成されています。詳しく話をするのであれば第1楽章はイ長調で第1楽章の最後は盛り上がりの中で終わります。そして第2楽章はイ短調でゆったりとしたテンポで全体を包み込むかのように流れていきます。

3楽章はヘ長調・ニ長調で、出だしから明るい雰囲気の旋律が繰り広げられます
最後の第4楽章はイ長調で第3楽章の勢いを引き継いでいるような感じです。


ではまた。
阿加井秀樹


2019年1月15日火曜日

威風堂々



みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はエドワード・エルガーの威風堂々という曲について解説して行きたいと思います。

威風堂々はイギリスのエルガーによって作曲され、管弦楽のための行進曲になります。全部で6曲からなっており、日本でも有名な曲の一つです。

ですが日本で言われる威風堂々は曲の中間部の旋律を指していることが多いです。そして、その中間部の旋律はイギリスで第2の国家として謳われる程浸透しています。





ロンドンで開催される夏のクラシックコンサートBBCプロムスでは最終夜の最後の曲としてエルガーの威風堂々が恒例として演奏されます。日本で言えば閉店間近に流れる「蛍の光」に似ているのかもしれません。

この威風堂々の原題はPomp and Circumstance Military Marchesとなり、最初のPomp and Circumstanceはシェイクスピアの戯曲「オセロ」のセリフから取られたタイトルになります。

現在でも日本ではCMの挿入歌になったり、家庭用電話機の保留音でも威風堂々が選択できるなど、日本でも根強い人気を誇っています。





して、この曲もラフマニノフの曲同様、ディズニー映画のファンタジアに使われています。


ではまた。
阿加井秀樹


2019年1月11日金曜日

幻想的小品集第1番エレジー



みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回は個人的に好きなラフマニノフの幻想的小品集より、1番エレジーについてお話していきたいと思います。

この曲は悲歌という意味で全5曲から成るピアノ独奏曲集の第1曲として収められています。この曲の特徴は悲歌というだけであって瞑想的な雰囲気があります。哀愁を表現するべく比較的ゆっくりとしたテンポで演奏されることが多いです。

この曲はラフマニノフが18歳の時に作曲しました。そして、なんといってもこの曲はカナダの男子フィギュアスケートで有名なパトリック・チャン選手がソチ冬季オリンピックが開催される2013-2014シーズンのフリープログラムに採用された曲としても有名です。




また、幻想的小品集の第2曲は女子フィギュアスケートの浅田真央選手がバンクーバーオリンピックの2009-2010シーズンにおいてオーケストラ版をフリープログラムに組み込みました。

この作品はラフマニノフの初期作品の中では間違いなく最も有名な曲になります。とはいえ一度聞いてもらった方が早いと思いますのでYoutubeから引用しましたので是非聞いてみてください。






ではまた。
阿加井秀樹



2019年1月9日水曜日

魔王


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はシューベルトの魔王という曲について解説して行きます。

この曲は音楽の教科書に掲載されるほど有名な曲です。シューベルトが少年時代にゲーテという小説家の同じく魔王という詩に触発され短時間で歌曲と伴奏を完成させた作品です。

この曲の特徴的な歌詞は「お父さん、魔王のささやきが聞こえないの?魔王が僕を苦しめる!」というのが有名な歌詞でもあります。





この曲のあらすじをご紹介します。

熱を出した息子を医者に連れていくため、息子を腕に抱いて夜の闇を馬で駆け抜ける父親。息子は高熱にうなされ幻聴に襲われ、風に吹かれた枯葉や木々がまるで魔王のささやきに聞こえてしまうのです。結局息子は途中で息絶えてしまう、というなんとも悲しい曲なのです。


そして、この曲は語り手、父親、息子、魔王の4人の人物が登場します。一般的な曲は1人で歌うことが多いですが、この曲に限って言えば4人の歌手によって別々に歌われることがあります。

それはシューベルトが4人それぞれを異なる音域に配置し、それぞれ固有のリズムを持たせているからです。非常にストーリー性に長けた作品のひとつでもあります。学校の教科書に載る理由もわかる気がします。






それではまた。
阿加井秀樹



2019年1月8日火曜日

主よ、人の望みの喜びよ



みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

バッハの有名曲「主よ、人の望みの喜びよ」は、ドイツ語で「イエスこそわが喜び」という意味がこめられている曲です。

世界で誰もが知っている有名な曲であり、卒業式でもよく使われる曲です。
そもそも合唱曲だということ皆さん知っていましたでしょうか?もともとは、教会カンタータという礼拝のときに歌われる曲の一部なのですが、その曲の二か所で、同じメロディーが使われています。






一つ目は、「イエスこそ、わが喜び」という歌詞がある第6曲その時に歌われる歌詞の意味は、「病めるときも苦しいときも、イエスが私を慰め元気づけるくれる。だから私はイエスから離れない。」となっています。

もう一つは、このカンタータの最後にある第10曲「イエスこそ、変わらざるわが喜び」で「主よ、人の望みの喜びよ」と同じメロディーが使われています。

その歌詞は「イエスこそ私の変わらざる喜びである。イエスは私の心の活力であり、全ての苦しみから守ってくれる。だから私はイエスから離れない。」となっています。面白いことに、歌詞の内容は似ているだけで、ことばは全然違います。




またこの曲は、夏の曲なんです。この曲がつくられたのは、「母マリア訪問の祝日」という祝日のために作曲されたといわれています。マリアが天使から「神の子を身ごもった」というお告げを聞いた後に、親戚のエリザベトのところに行った日を指しています。

メロディーは有名でも、知られてないことはまだまだいっぱいあります。是非この曲みなさん聞いてみてください。


ではまた。
阿加井秀樹



2019年1月4日金曜日

ボレロ


みなさんこんにちは。阿加井秀樹です。

今回はラヴェルのボレロについてご紹介致します。

ラヴェルの「ボレロ」は1928年に作曲されたバレエ音楽です。同じリズムが最初から最後まで延々と繰り返され、さらに二つのメロディーが繰り返されるという独特の音楽です。




次第に音楽が大きくなっていくことから「世界一長いクレッシェンド」と言われることもあります。初演を聴いた観客が「この曲は異常だ」と言った感想に対して、ラヴェルは「この曲をよくわかっている」と返したそうです。何だか不思議なエピソードですね。

ラヴェル自身が「この作品には音楽がない」と語っており、音量と音厚が次第に増大するシンプルな構成はまさに実験的作品だと言えます。

また、ラストのクライマックスでいきなり転調するのも驚きの展開です。

「ボレロ」はロシア生まれのバレリーナでもあり役者でもあったイダ・ルビンシュタインの依頼により作曲されました。彼女自身のバレエ団のためにラヴェルにスペイン風のバレエ作品を依頼したのです。




アメリカへの演奏旅行から帰国したラヴェルが、海水浴のために別荘に訪れます。その別荘でラヴェルは友人にボレロの主題を弾いて見せたと言われています。その際には、このシンプルな主題をオーケストレーションを変えて繰り返していくアイディアも友人に披露したそうです。


それではまた。
阿加井秀樹


阿加井秀樹が紹介する「ハンガリー舞曲5番」

 みなさんこんにちは。 阿加井秀樹です。   今回はヨハネス・ブラームスの「ハンガリー舞曲5番」についてご紹介します。   ヨハネス・ブラームスが作曲した全21曲からなる「ハンガリー舞曲集」の中でも、とりわけ人気が 高く、一度聴けば忘れられない旋律を持つのが「ハンガリー舞曲第5番...